私がうつ病になり教員を辞めた理由 ~特に異動を考えている方へ~

記録<うつ病>

 「俺、仕事辞めるかもしれない。本当にごめんなさい。」

 職場の飲み会が終わり23時に帰宅。寝る準備をして1時に寝るも4時に目が覚めてしまう。早朝覚醒は1ヵ月以上前から始まっていました。何もかもどうしていいか分からず、わけもわからなくなって涙がとまらなくなってしまいました。そこから6時まで放心状態で、思わず親に電話していました。

 私は中学生の時から教員を目指していて、大学院に行ったのも、半分は研究を続けたかったからで、もう半分は専修免許(大学院で修士課程以上で取得できる教員免許)を取りたかったからでした。大学・大学院は、奨学金を借りずに親にサポートしてもらい、通わせてもらいました。それなのに…。

私がうつ病を発症してしまった3つの理由

 私がうつ病を発症してしまった理由は、大きく3つあります。

(1)前任校での経験や周囲からの評価から、自分に自信をち過ぎていた

 前任校は、新規採用の先生が毎年複数人配置されるような学校で、若い先生方が多く、若手中心で学校運営を行っている部分が比較的多い学校でした。先輩方にいろいろと教えてもらいながら、2年目から徐々に、様々な場面を任せていただけるようになっていきました。出る頃には、自分よりその学校にいる期間が短い先生や後輩もたくさんいて、校内での立ち位置もある程度確立されていて、『もう自分はどの学校に行ってもやれるぞ』というような感覚を、今思えばもっていたのかもしれません。

 そのような過信をした状態で、次の学校に赴任しました。異動した学校はいわゆる進学校で、若手はとても少なく、中堅以上の先生方が多い環境でして、当然私よりも経験値は高くて、要領が良い先生方ばかりでした。生徒たちは、私が校内では年齢の近い先生ということもあり、良くも悪くも距離が近く、指導のやりづらさを感じていました。そして、慣れない環境であることも相まって、うまくいかないことや周りに迷惑かけることも多く、どんどん自信を喪失していきました。

 自信をなくしていった結果、自分がやることなすことに芯が通ってない状態になっていきました。それに伴って、これまで自分が大切にしてきた信念や『こうあるべきだ』という姿からかけ離れていきました。そんな状態に大きなストレスを抱えてしまったのです。冷静に考えれば、うまくいかないのは当たり前で、それを何年も何年も教員を続けていくことによって自分の形を確立させるのに、自信をもって異動してきた私にとっては、自分への情けなさや悔しさで、その状況を受け入れることができなかったのだと思います。

(2)自分のキャパシティを把握できていなかった

 自信を持って異動してきた私は、「期待に応えたい」「生徒・学校のために貢献したい」という思いで、クラス、教科指導、部活動、教職員内の分掌、全てに自分の中の全力を注いでいました。帰宅後も休日も、常に仕事のことを考えてましたし、常に作業をしているような状態でした。異動して間もない頃は引っ越し作業も並行して行っていたので、助走なし・フルスピード状態で日々を過ごしていて、精神的にも体力的にも苦しい状態が続いていたのでしょう。このように、劇的な環境変化であったり、精神的・体力的に大きなストレスを抱えていたり、常に何かに追われているような感覚を持っていたりしたことが、精神を病んでしまった要因だったのではないか、とお医者さんにも言われました。

(3)仕事へのモチベーションがなくなってしまった

 上述しましたが、私は常に学校のことを考えていて、別にそういった状態に抵抗がなかったのです。「生徒との繋がりを感じられている」ということがモチベーションで、それがあればいつまでも全力を出し続けられると本気で思っていました。前任校では、いろいろな意味で元気な生徒もいっぱいいましたし、相当嫌われるぐらい指導したり思いを伝えたりしてきましたが、それによって生徒の成長した姿を見ると、喜びややりがいを強く感じていつまでも頑張ることができたのです。でもそれは、生徒を救っているようで、私が生徒に救われていたのでした。

 異動してきた私は、前任校に比べると、授業外での生徒との関わりが少ないように感じていました。そして、「信頼関係を作ることが難しい」と思いながら仕事をしていました。そういった状況でも、前任校でうまくいった感覚で、生徒に指導などをしまったのでした。信頼関係がない、来たばっかりで学校のことをよく分かっていない、年齢も若い先生に何か言われても、当然うまく伝わらないのです。少し厳しいことを言えば、「先生に何がわかるんですか?」という手ごたえで、冷静に考えれば当たり前なのですが。

 うまくいかなくなってくると、やり方をいろいろ変えたりするようになりました。決して変えることが良くないというわけでなく、一貫性が崩れるような良くない変え方をしてしまったのです。例えば、生徒の顔色をうかがったりし始めるようになってしまったりして…。それって最初はうまくいくかもしれないですが、徐々にボロが出てきたりすると、それが生徒の不信感に繋がっていき、収拾がつかなくなってしまうんです。そんな状態で、生徒との関係づくりがさらに難しくなっていきました。

 そして、(1)(2)のようなストレスも相まって、[自分が言っても何も伝わらない][自分は何のために働いているのか][自分なんかが生徒たちに何を残してあげられるのか][自分の存在価値や意味はあるのか][自分はいない方が良いのではないか][自分と関わる生徒たちは不幸に違いない]というようなことを考えていきました。それが引き金で動けなくなってしまい、うつ病と診断を受ける結果となってしまったのです。

最後に

 以上の3つが、私がうつ病に発症してしまった理由になります。もし共感する方や同じような状況になりそうな方、周囲に同じような状況の方がいらっしゃる方は、注意していただきたいなと思います。

 また、教員だけでなく多くの仕事で『異動』はつきものです。これを見た皆様が、私の失敗談を、教訓・予防策・解決策として利用していただければ幸いです。

 みなさんの異動が、本当の意味での『ご栄転』になることを心より願っています。

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